- そもそも簿記ってなに…?
- 営業より経理にあこがれる
- 経理って専門スキルが必要なの?
こんな悩みに答えます。
こんなふうに思っていませんか?
実は、経理はいきなりバリバリ仕事できるようなものではありません。
なぜなら、専門スキルが必要で簿記の知識がない人は資料の見方から苦労してしまうからです。
私も最初から経理ができたわけではなく簿記をとったことにより仕事の理解が格段に早くなりました。
現在は10年以上キャリアがあり上場企業を経て、海外法人の経理も任されています。
この記事では、”未経験者が経理になるための簿記の必要性”について解説します。
- 簿記の基礎的な知識が身につく
- なぜ経理に簿記が必要かわかる
- 経理に必要な資格がわかり行動に移せる
私は簿記資格を取ってから2度の経理転職で年収200万円アップを実現することができました。
そもそも簿記ってなに?
簿記とは「会社のもうけと財産を見せるため」に必要なスキルのことです。
実は世界中の企業が簿記を使っています。
会社の営業活動には簿記の会計知識は欠かせません。
それではさっそく見ていきましょう。
会社のもうけとは
もうけとは「商品を売った値段からイロイロ差し引いて残ったもの」をいいます。
【もうけの計算式】
売上(商品を売った金額)から
仕入(商品を仕入れた金額)を引いて
もうけがでる(粗利益)
さらに【もうけ】から経費を引く
【本業のもうけ】が出る(営業利益)
あなたが中古品を売るビジネスを始めたとします。
『もうけ』を出すためにはできるだけ安く商品を仕入れて高く売らないといけません。
A商品を1個70万円で仕入れて100万円で売ればもうけは30万円です。
※このもうけのことを粗利益といいます。
会社を経営していくためには
- 月の売上はいくらで
- 利益がいくらだったのか
を知る必要があります。
仕入代金のほかにもたくさんの経費が発生します。
- バイトの給料
- 家賃
- 水道光熱費 などなど
たくさん経費がかかってきます。
このような経費も差し引いて考えなくてはなりません。
そういった売上高からイロイロなものを引いて残ったものが『本業のもうけ』ということになります。
※本業のもうけのことを営業利益といいます。
もうけが知りたい社長の気持ちにそっと寄りそうのが簿記です。
会社の財産とは
会社の財産とは『会社のお金や商品の在庫のこと』です。
会社をうまく経営していくためには預金の残高、商品の在庫などを知る必要があります。
会社経営には資金不足や在庫不足を事前に防ぐことが大切だからです。
仕入れたものがすぐに売れるとは限りません。
なぜ資金繰りが悪くなるかというと…
- 商品を仕入する
- 仕入代金を払う
- 在庫になる
- 売上がないので入金がない
- 資金繰りがマイナスになる
そのため在庫は会社の財産として記録しておく必要があります。
知りたいと思った時に預金残高や在庫金額がわからないとどんな計画や対策を立てればいいかを決めることができませんよね。
どのくらい財産があるか知りたい社長にそっと寄りそうのが簿記です。
経理になるために簿記が必要な4つの理由
なぜ経理には【簿記が必要】なのかを一つずつ解説していきます。
理由①経理業務の基礎知識だから
簿記のスキルは経理業務の基礎です。
私は毎日のように簿記の知識をフル活用して仕事しています。
逆にいうと簿記を使わない日はありません。
伝票処理ひとつにしても簿記の知識を使っています。
専門用語が多い経理で簿記の知識がなければチンプンカンプンです。
基礎知識が身についていないとこんなことになってしまいます…。
理由②異動を希望したとき武器になるから
あなたが営業から経理に部署異動を考えているのであれば簿記資格はとても使えます。
【資格を持っている人】と【資格を持っていない人】だと社内の評価に大きく差がでます。
経理部としてはどちらに来てほしいでしょうか?
資格があるかないかだけで判断されるか?と言われればそうではないです。
でも経理へ希望する人がいた場合に【選考基準】のひとつとするのは間違いないです。
理由③転職の際にアピールできるから
未経験者がいきなり経理に転職しようと思うとそれなりのハードルを超える必要があります。
- 年齢が若い
- めちゃめちゃ印象がいい
このようなポテンシャル採用がメインとなります。
だからこそ経理を目指すのであれば簿記の資格は必須です。
実務経験がなくても簿記を持っているだけで最低限の会計知識を持っていると判断されます。
なにより『経理の仕事がしたい』という強いアピールにつながります。
理由④他のスキルとかけ合わせると差別化できるから
簿記のほかにスキルを持っていれば大きな力を発揮することができます。
例えばビジネス3種の神器と言われているのが次の3つです。
- IT
- 英語
- 会計
どれか一つでも使えるようになれば人材価値として高いものになります。
さらにほかのスキルと掛け合わせることができればレアな人材になります。
例えば「IT × 会計」と掛け合わせたとしましょう。
現在ではITの力を活用していない会社など存在しないと言えるほどITが身近なものとなりました。
とは言ってもまだまだITに対しては
っていう人が多いのが現実です。
経理に活用できるITスキルを身につけることでほかの経理を目指す人たちと差別化することができます。
必要性があるのは【日商簿記】だけでOK
簿記資格にはいくつか種類がありますが必要なのは【日商簿記】のみです。
理由は転職サイトなどで求人企業から募集されるのは日商簿記が圧倒的に多いからです。
簿記の種類について簡単に見ていきましょう。
簿記の種類
簿記資格の種類は以下の3つがあります。
- 日商簿記
- 全経簿記
- 全商簿記
それぞれ解説していきますね。
日商簿記とは
日本商工会議所が主催する簿記試験です。
結論から言うと資格を取るなら日商簿記の一択です。
求人企業の募集要項を見ても日商簿記以外を見たことがないです。
日商簿記検定は5段階あります。
- 1級
- 2級
- 3級
- 簿記初級
- 原価計算初級
ほとんどの人が3級から受験します。
受ける場合は3級から勉強すればOKです。
全経簿記
全国経理教育協会が主催する簿記の検定試験です。
受験する人のタイプとしては経理や経理専門学校の人が受験する傾向が強いです。
全経簿記は5段階あります。
- 上級
- 1級
- 2級
- 3級
- 基礎
日商簿記検定と比較すると難易度は低めです。
全商簿記
全国商業高等学校協会が主催する検定試験です。
主に商業高校の学生を対象とした簿記試験です。
学校で学習する内容を網羅した基礎的な試験内容です。
全商簿記は3段階です。
- 1級
- 2級
- 3級
推薦入学のときに評価されるといった特徴があります。
日商簿記検定と比較すると難易度は低めです。
簿記検定の難易度を比較
日商・全経・全商簿記をそれぞれの難易度を比較してまとめました。
日商簿記 | 全経簿記 | 全商簿記 | |
難易度比較 | 1級 | 上級 | ー |
2級 | 1級 | 1級 | |
3級 | 2級 | 2級 | |
簿記初級 | 3級 | 3級 | |
ー | 基礎 | ー |
日商3級は入門レベルの内容となっているため、独学でも合格を目指すことが可能です。
毎回約10万人前後が受験し、合格率は40~50%と高めです。
日商簿記2級は、全経1級より少し難易度が高めですが就職や転職活動に有利です。
経理を目指すなら日商を選ぶことをおすすめします。
まとめ:知識ゼロで経理を目指すなら簿記は必要
- 経理には簿記は必須スキル
- 未経験ではなおさら必要
- 社内評価や外部評価にもつながる
- 他のスキルとかけ合わせて差別化する
- 勉強するなら日商簿記の一択
経理は専門スキルが必要とされる職種です。
実務経験を重視する経理職につきたいと考えるのであれば
簿記の資格は必須となるでしょう。
そこで簿記資格を目指すのであれば日商簿記の一択です。
経理になりたいのであれば2級までとっておくことを強くオススメします。
- 他部署から異動
- 経理として他の会社へ転職する
というときに簿記を勉強している、またはすでに持っているとなれば
なんてやる気アピールにもつながっていきます。
資格だけで人が評価されるかと言われればそうではないですが
一定の評価につながることは頭に入れておく必要がありますね。
経理を目指すときに参考になればうれしいです。
それではっ!